わりと日記っぽい

台風に由来する激しい雨音で八時すぎに目が覚めた。元来寝起きが悪いうえに昨夜は四時過ぎまで眠れなかったので、
バラバラとうるさい雨音をバックにソイラテを作ってぼんやり飲みつつ目を覚ましていた。
日曜日ではあるがこの豪雨だ、午前中に家を出れば近所のマクドナルドの電源席程度なら確保できるだろう。そして溜まっている課題をできるだけ片づけてしまおう。
そんな名案(その時はそう思えた)をベッドの上で思いついた。

同時に今マクドナルドではビッグマック単品一つにつき無料券が貰えるキャンペーンが行われていることを思い出した。
ビッグマックを単品で注文して無料券をゲットしてコーヒーでもちびちび飲みながら書き物をしよう、iPhoneには一昨日買ったばかりのI Am Robot And Proudの新作「Touch/Tone」が入っている(彼の作品はながら作業にぴったりだ)、そんなことを考えながら昨夜よりはいくらか明るい気持ちで支度を始めた。

朝マックの時間帯を避けるべく書店に寄って時間を潰し、以前からなんとなく気になっていた施川ユウキの「鬱ごはん」を買った。
昼前には最寄りのマクドナルドに着き、席を確保し、籠城の体勢をとる…はずだった。
ところが家を出た途端雨は勢いを失い、しまいには晴れ出す有様。朝から降り続けた雨が一気に温められ蒸し暑さを増してゆく中マクドナルドにたどり着くと店外まで続く家族連れの行列。

完全に見通しの甘さを露呈してしまった。

もうこの時点で相当嫌になっていたのだが今更引き返すわけにもいかず、苦肉の策でビッグマック単品をテイクアウトしてなんとか無料券をゲットした。
問題はその後だ。テイクアウトしたファストフードを自宅以外のどこで食べるのがよいか未だによく分からない。
結局近くにある大学のキャンパスに入り、少し湿ったベンチに座って食べることにしたのだが、
周囲の雰囲気から察するに今日は9月卒業者のための式が執り行われているらしい。完全に居場所を失っている。
とにかく何か飲み物が必要だ。日曜日で大学のショップは開いていないため自販機で紅茶を買ったものの、
本来なら100円だかのコーヒーを啜りながら冷房のきいた店内で書き物をしていたはずで、それを思うとどうしても割高感が否めなくなってしまった。

まあそうはいってもせっかく晴れたのだし、青空を見ながらハンバーガーを食べるのも悪くはない、
と思ってビッグマックを食べ始めたのだが今度は酷暑を生き延びてきたと思しき蚊が複数たかってきたせいでまるで落ち着いて食べられなかった。

シュレッダーに書類を押し込むようにビッグマックを流し込んだものの、今度は混雑したマクドナルドに代わる勉強場所を確保しなければならないわけで、
僕は比較的空席の多かったモスバーガーに入ってアイスコーヒーMを注文した。
本当はSで粘る公算だったのだが、ここでも自分の肥大化した自意識が邪魔をして「コーヒーSだけで粘ろうというのは些か貧乏臭い。」というしょうもない理由で60円の余計な出費をしてしまった。実際に金はないのに。10円単位で今日の出費を計算している時点で既に貧乏臭いというのに。

本来ならマクドナルドのコーヒーとビッグマック単品の500円弱で夜まで粘る予定だったものが、自販機で紅茶を買い、
モスバーガーに場所を変えたことで余計にコーヒーを飲み、予定外の出費が増えてしまった(胃にもきっと良くない)。

ここまでだらだらと書き連ねればよほど勘の悪い人でない限りは分かるだろうが、こういう予定外の事態に直面すると僕は異様に弱い。ルーチンワークなら何とかこなせるのだろうが、真っ当な社会人として臨機応変に働いていける気がまるでしない。そもそもこういう一般的には些末なことをきっかけに、延々と考えても仕方のない将来のことまで考えてしまうのが良くないのかもしれない。しかし自分のこういう気質はもう手の施しようがない気さえする。
思えば昨年初めての恋人ができた時、これで多少は自分の自己肯定感のようなものが向上するのかもしれない、少しは変われるのかもしれない、などという童貞臭い絵空事を夢想したりもしたが、こういう根本的なところでまるで変わっていないところをみると人の気質はそうそう変わらないものらしい(そもそも恋愛に一体何を求めているのかという話で、交際相手にもまったく失礼だったと思う)。

こういうことを延々考え続けて完全に課題どころではなくなってしまった僕はまさに予定外の事態に直面していて、若干ヤケになりながらモスバーガーでこの文章を書いている。そして今予算を無視してライスバーガーかモスチキンを注文しようとしているのもやけっぱちに近いものだと思われる。

結局今日という日も半分以上殺してしまった。

そんな状況で偶然にも「鬱ごはん」を買って読んだので、こみ上げてくる感情の渦が尋常ではなかった。
この纏まりを欠いた長くて陰気なだけの乱文をここまで読んだ人なら必ずどこか引っかかるもののある漫画だと思うので興味があれば是非ご一読ください。

ところでI Am Robot And Proudの新作はとても良い…ような気がするのだけど今日の精神状態がいまひとつなのでなかなか落ち着いて聴くことができず残念だった。前作「Uphill City」から5年、その間にあったレイハラカミの死は彼の創作活動にも何らかの影響を及ぼしたのかもしれない。(新作の表題曲はレイハラカミへのトリビュートでもあるらしい)


それはそうと小腹がすきました。


 
touch/tone

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